ウクライナ出身のピアニスト リシッツァを紹介
Valentina Lisitsa (バレンティーナ・リシッツァ、ヴァレンティーナ・リシッツァ) は、Rachmaninoff Etude Op. 39 No. 6 "Little Red Riding Hood"の動画で見せた”超絶技巧”が有名な米国のピアニストです。 その余りにも印象的な演奏技術のお陰で掲示板などでは「魔女」と呼ぶ人もいます。
ところが、シューベルトやショパンの奥深い演奏の方は、あまり知られていません。 確かにリストやラフマニノフの曲で見せる華麗な演奏は、彼女の真骨頂とも言えるものですが、リシッツァは単に高難度の曲目を曲芸的に弾いてみせるだけの演奏家ではありません。
Net上に数多くUpされているより多くの演奏を視聴することによって、彼女の芸術性が広く知られるようになると良いのですけれども、Web上でリシッツァを調べようとすると、なかなか充分な結果が得られないことが多いように思いました。 そこで、リシッツァの動画を私のチャンネルにまとめて見たのです。
Bigoaki のチャンネルをクリックして頂くと、YouTube の動画サイトへ飛ぶことが出来ます。
そこでは、
・ショパン 22曲(2010年の演奏)
・ベートーベン 「Hammerklavier」「Moonlight」「Appassionata」他、全23動画
・3つのDVDアルバム シューベルト・リスト・ラベル・ショパン・ラフマニノフ 全52曲
・練習場風景等 21動画
・貴重な演奏記録 19動画
などを視聴することが出来ます。
The animation reproduction list of Valentina Lisitsa
さて、来るべき2011年には嬉しい予定があります。
まだ少し間がありますが、3月17日~27日に掛けて、Valentina Lisitsa が再度来日します。 前回と同じように Hilary Hahn のコンサートで共演するためです。
実は、前回の公演ではこの二人の演奏者の意図が聴衆に伝わっていなくて、事後に批判的な意見を書いていらっしゃる方が少なからず存在しました。 どうやら彼女達は、アジアの外れにとても実験的な興味深い活動を持ち込んでいるようなのです。
あれほどの技量をもった二人の演奏が一見合わないように聴こえるのは何故か。 実を言うと私も良く分らない水準なのですけれど、きっと何か意図があるのだろうと思っています。 もう何年も一緒にツアーを回っていて、昨日今日のコンビじゃないと言うところも意味深長な感じがします。
あの二人が何を考えているのか、手がかりになるかもしれない記述を見つけました。
これは Hilary Hahn の発言です。
ヒラリー・ハーンによるプログラムノート 第1回
ヒラリー・ハーンによるプログラムノート 第2回
演奏家 Valentina Lisitsa の真の実力を発見して頂けると幸いです。
尚、お使いのPC等の構成によっては、原音が正しく全て再現されない場合があります。 特に、オンボードサウンドでは、同時発生音数に限りがありますので、聴こえない音が生じてしまいます。 多くの場合、専用のサウンドカード等を追加することで、同じ演奏から全く異なる感触を得ることが出来ます。
Lisitsaは、その卓抜な演奏技術によって高速な連打の中にも極小の弱音を交えて、効果を引き立たせる手法を用いている場合があります。 ご参考になれば幸いです。
by akiko on December 25, 2010.
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